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【CEOの時間の使い方】社長は何に時間を使っているのか

CEO

Harvard Business Reviwew ONPONTの記事を紹介します。

企業において、CEOはリーダーシップの典型例です。言うまでもなく、CEOは企業の中で一番大きな権力を持っています。

ただ、驚くことに、そのユニークな仕事内容については、あまり知られていません。CEOの時間の使い方は企業にとって、非常に重要なデータです。なぜなら、

CEOの時間の使い方を表したスケジュールというのは、企業や組織に対して、各マネジメント層がどのようにチームを牽引するなどを説明した、政策表明だからです。

大規模なグローバル企業を経営することは、過剰で複雑な業務となります。

企業経営の業務範囲は広大です。企業の機能的な課題、組織ユニットの課題、複数の組織レベルに渡る課題、数えきれないほどの問題が横たわっています。

また、様々な顧客層が存在します。例えば株主、クライアント、従業員、取締役会、メディア、政府、地元のコミュニティなどです。

他の役員とは異なり、CEOはこれらすべてに関与しなければなりません。その上、良い時も、悪い時も、組織の内部や外部の人や案件と直面しなければならないのです。

CEOの時間やイベント参加の決定の振り分けは、極めて重要です。CEO自身の仕事の効率性のみならず、企業のパフォーマンスにも影響を与えるからです。

CEOがどこで、どのように、企業の意思決定に関与するかも、重要です。従業員との時間を全く使わなければ、鎖国しているように見えたり、音信不通と思われてしまいます。

一方で、あまりにも、従業員に関わりすぎて、細かい意思決定にも口を出してしまうと、マイクロマネジメントと思われたり、従業員の自発性を損なってしまいます。

2006年Michael E. PorterとNitin Nohiraは、CEOが使う時間について、調査を行いました。対象は、27人のCEOで25人が男性、2人が女性です。期間は3ヵ月間です。

これらCEOが勤務する企業の平均年売上は$13.1B/年(約1.4兆円)でした。

下記調査結果になります。

CEOは、すべてを費やす

  • CEOの平日の勤務時間は9.7時間/日でした。
  • 週末の79%はビジネス活動を行っていました。時間にすると平均3.9時間/日でした。
  • 休暇中の70%はビジネス活動を行っていました。時間にすると平均2.4時間/日でした。

これらが示すように、CEOの業務はかなり過酷というんが分かります。

  • CEOの業務の内、47%は本社にて行われました。
  • 残りは、他企業訪問中、外部の関係者と会議、移動中、出張中に行われました。
  • この調査では、一週間の平均労働時間は62.5時間/人でした。

どの関連企業もCEOと直接の面談を望んているため、このような過酷なスケジュールとなるのです。代わりの代表者を送るときもありますが、すべての案件を任せることはできません。

また、直接参加し、関係者に指示を与えたり、連携体制を作ったり、意思決定に必要な情報収集を行う必要があります。

出張も不可避であり、国内企業はもちろんのこと、グローバル企業となれば、本社のみで業務が完結することは、難しいのです。

自分の幸福のために使う時間

CEOは、健康と家族や友達との時間を捻出するため、仕事に使う時間を制限しなければならないと、理解しています。

  • 平均の睡眠時間は6.9時間です。
  • 多くのCEOはエクササイズを行っており、仕事以外の時間の9%(45分/日)を運動の時間に充てています。

CEOはアスリート同様に、仕事の集中力を維持するため、健康、フィットネスそして休憩のための時間を割り当てているのです。

  • 一日の内の25%、時間で言うと約6時間は、彼らが起きている中で働いていない時間となります。
  • これらの内、約半分の3時間は家族との時間に費やします。

彼らはこの時間を非常に重要視しています。

また多くのCEOは、少なくとも平均2.1時間/日を休憩時間に充て、テレビを見たり、好きな本を読んだり、写真などの趣味のために使用しています。

CEOは、精神的にも、体力的にも要求が大きい職務となります。仕事以外の通常の時間を保つ活動というのは、CEOが常に地に足を置いている状況にし、従業員とよりより関りをもつことできます。

また、CEOは彼らのプロフェッショナルとしてのレベルアップや知識開発も行わなければ、なりません。

ただし、この自己啓発の活動により、スケジュールがパンパンになってしまい、家がカーレースのピットストップのような状況にならないことが重要です。

フェイス to フェイスで対応する

  • CEOの仕事時間の内、61%は重要業務であるフェイス to フェイスのやり取りに使用されました。
  • 15%は、電話や書面の読み込みや返信に使用されました。
  • 残りの24%はEmailベースでのコミュニケーションに使用されました。

フェイス to フェイスでのやり取りは、CEOの影響力を実行でき、実際に起きていることを学び、進展させなければいけない案件に対して代表者を指示するなど、最も効果的な方法です。

CEOのフェイス to フェイスの時間の使い方は、だれと何が重要であるかを認識するサインとして従業員に見られています。CEOが考えている以上に、従業員はこの動きを注意深く見ているのです。

理論的には、Emailはフェイス to フェイスでの会議時間を削減し、生産性を改善すると考えられています。

しかし実際は多くの人は、Emailは非効果的で、問題を避けたいがための、危険な時間潰の方法と見ています。

Emailは仕事を邪魔し、就業時間を伸ばします。家族や考える時間を侵害し、思慮に満ちた議論には貢献しないのです。

CEOは終わりがない、FYIのEmailにコピーされます。無視するのは失礼と思い、彼らは、返信するためのプレッシャーを感じています。

CEOはEmailのほとんどは、彼らが関与する必要のないものだということを、認識する必要があります。

逆に、CEOからのEmailは不必要なコミュニケーションや悪い規律の下方スパイラルを作りだす可能性があります。例えば、CEOが夜遅く、週末あるいは休日にEmailを送ったりする場合です。

これにより、組織の人間は簡単にEmailの過剰使用の悪習慣に陥ってしまいます。

したがって、CEOが受け取るべきEmail内容の規範や、返信する時間帯など決めておくことが不可欠です。

CEOによっては、お互いの出張時間を削減するため、Face to Faceでの会議の代わりにビデオカンファレンスを代用し始めています。

効率性はもちろん追求すべき課題ですが、彼らのコアな仕事はface to faceでのやり取りというのは、忘れてはいけません。

CEOの明確な議題に時間を使う

CEOは大規模な組織や、数えきれないほどの意思決定を監督します。そのため、彼らは明確な個人的議題を持つべきです。そして実際、皆そのようにしています。

明確で効果的な議題はCEOの限りある時間を最適化します。

この調査で、CEOは仕事時間のうち、平均43%を彼らの議題の深堀のために使っていることが分かりました。CEOによっては、この規律をかなり重視していました。

多くのCEOは、彼らの議題に対してより多くの時間を使った時、より満足を得られると考えていました。

不測の事象への対応に関わらず、効果的に時間を使い複数の業務を同時にこなし、進展させるために、明確な議題を持つことは、CEOにとって、最も重要なツールであることが分かりました。

CEOの時間のかなり部分になりますが、平均で約34%は企業外部および内部などで発生する問題の対応に使われていました。

多くのマネジメント層にとって、いつ、どれくらい、そのような問題に対応すべきか、どれくらいの時間が必要となるか、すぐには明らかにはなりません。

マネジメント層は会議で動揺しているようにも見えます。

そんため、緊急案件の場合、CEOが会議に参加しないと、始めは小さく見える問題でも、大きな邪魔に膨れ上がる可能性があります。

ただ、他の例として、CEOの介入によって、通常より問題を大きく発展させてしまう場合もあります。

したがって、CEOはこれら発生している問題に関して、適切な対処方法を認識することが不可欠です。

時折、危機的な製品クレームや安全性の不備、敵対的買収、津波などの外部災害やテロに対して、CEOは急遽、対応求められます。

この調査では、89%以上のCEOは危機的な対応に時間を使ったことがあると回答しています。対応時間は1%と小さいですが、CEOにより、危機対応に使用された時間は大きく異なりました。

これらの対応のため、CEOは目に見える形で行動を起こし、個人的に関与しなければなりません。代わりの人間を置くことはできなのです。

影響を受けた人たちに誠実な関心を示し、チームを一致団結させ、信頼を作る必要があります。

また、驚くことに、CEOの業務時間の平均11%はルーティン業務に使われていました。

業務内容は、CEOにより大きく異なりました。検討会議、取締役会議、業績発表や投資家向け会議などありとあらゆるものです。

業績レビューはCEOのルーティン業務の重要な部分を占めます。その頻度や時間的長さはCEOにより大きく異なりました。

また、重要なシンボル的な役割である、新入社員向けのスピーチなど必須事項と考えられるものも、CEOごとに大きく異なりました。

日頃から、時間の使い方がうまい人は、優秀なCEOになるための素質が一つ備わっているということですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。