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【会社に悪影響を与える社員】対応方法を考える

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肯定的な意見を言わない、否定的なことばかり言う有毒な社員、あなたの周りにもいませんか?英語ではそのような社員をBad Appleと呼びます。

同僚に頼ってばかりで、職場での取り組みがひどい社員です。

対応にはすごく困ります。終身雇用制度が崩壊したとは言え、明日退職してもらうということは、さすがにできません。

もし、そのような社員をクビにできないのであれば、その態度や言動にどう対応すべきか?どういったフィードバックを与えるべきか?彼らが与える被害をどう緩和すべきか?

管理職になり多くの部下を抱えている人、人事部に所属し社員全員の適正を管理している人が頭を悩ませている問題です。

その解決策となるヒントを見つけるため、Harvard Business Review ONPONTの記事を参考に対応方法をまとめてみました。

会社に悪影響を与える社員に対しての対応方法の原則

するべきこと

✔個人的に対話を持ち、何がそのような素行を引き起こしているのか理解する

✔明確な具体例とともにフィードバックを行い、改善するための機会を与える

✔有毒な社員と他の社員の対話を最小限にする方法を探す

すべきてないこと

◆他の社員に有毒な社員の問題を先に説明し、その後、問題の改善案を提示する

◆しっかりとした証拠となる書類を用意せずに、有毒な社員をクビにしようとする

◆重要な仕事と責任を置き去りにして、有毒な社員の対応に没頭する

会社に悪影響を与える社員に対する専門家の意見

面倒な社員と会社に悪影響を与える有毒な社員は異なります。有毒な社員とは会社に対して悪影響を与えるだけではなく、彼らの行動を他の社員に広めるのです。

有毒な社員は、やる気がなかったり、いらいらしたり、他の社員をこき下ろしたり、いくつかのパターンがあります。

ただ単に失礼な対応だけでなく、一緒に働いている他の同僚たちも苦しむことになるのです。

もちろん、管理職として、あなたが最初にすべきことは、そのような人間の雇用を避けることです。しかし、一度採用しあなたのチームに招いたら、その社員をチームから取り除くのは大変です。

他の部署の同僚も、その有毒な社員の情報はすでに知っており、人事部からの依頼について、すでにうまく断る理由を作っています。どの部署も受け入れてはくれません。

皮肉なことに、効率的な情報共有のやり方に苦労している組織がある一方で、ネガティブな情報の伝搬は恐ろしく早いのです。

そして、ほとんどのケースで有毒な社員の態度というのは、法的には何も問題はないのです。

他の部署の人間が、彼らの行動は一線を超えていると判断しなければ、有毒な社員をクビにすることさえできません。

悪影響を与える社員に対して深堀りをする

有毒な社員への対応として、まずは彼らの態度や振る舞いを注意深く観察し、何がそのような素行を引き起こしているのか、確認します。例えば、

現在の仕事自体に不満があるのか

プライベートで何か問題を抱えているのか

同僚に対してフラストレーションを感じているのか

そして、有毒な社員と話す機会を作り、いくつか質問をするのがいいかと思います。例えば、

担当している仕事は順調か

家族は元気かプライベートは順調か

将来のためのキャリア開発の計画はどうか

実際に、会話を通して素行の理由が分かれば、サポートを提案してみて下さい。
管理職であれば、知りえた情報を活用し有毒な社員をコーチングしたり、根本的な原因に取り組むためのリソースを提案したりすることができるはずです。

もし、離婚を経験したり、精神的な健康で苦しんでいるのなら、カウンセラーとの面談や休暇の取得を提案します。

それにより、有毒となる素行の原因を潜在的に緩和することができるかもしれません。

悪影響を与える社員に対して直接フィードバックをする

多くの場合、有毒な社員は自分の行動が他の社員に影響を与えることに気づいていません。

彼らは組織の破壊をもたらすことを認識していません。自分の態度や言動にばかり注目しているので、それらがもたらす大きな影響を、気づかせる必要があります。

そのため、正直なフィードバックを直接与えることが、極めて重要となるのです。
そして、有毒な社員がその問題に気づき、変わるための機会を持てる可能性が生まれます。

基本となるフィードバックのやり方としは、

客観的に、その問題となっている行動と影響を、明確で、具体的な例を使って説明するのです。

間違っても、あなたの行動や言動は、社員全員をイライラさせるなどと、言ってはいけません。仕事に関しての具体的な例を使用するのです。

あなたが有毒な社員に期待する、取るべき行動や言動を議論し、改善計画を一緒に作成するのです。社員たちがプラスの影響を持つために、有毒な社員にチャンスを与えるのです。

悪影響を与える社員に対して、潜在的な措置を説明する

もし人参の効果がないのなら、次はムチを使う必要があります。人は、潜在的な獲得よりも潜在的な損失に対してより強く反応する傾向にあるからです。

そのため、有毒な社員に改善が見られなければ、彼らが失う可能性のあるものを提示することが重要となります。

したがって、彼らが行動や言動の修正に乗り気でないなら、一番の関心ごとを理解する必要があります。例えば、

昇進

ボーナス

在宅勤務の特権

会社規定が記載されているハンドブックに則った措置であれば、有毒な社員の改善を動機づける、よりより有効な対応となります。

悪影響を与える社員は改善しない人もいる

あなたは、人はいつでも変われるものと望むかもしれませんが、全員が上記で述べた戦術に応えてくれる訳ではありません。

変わることができない、あるいは変わることは望んでいない人間もいるのです。

Porathの研究によれば、問題のある行動を取る人のうち4%は、ただ楽しいがためにやっており、それによる罰則を逃れることができると考えています。

こういった極端な例も考慮し、あなたは有毒な社員の行動を直すことができない可能性を認識すべきです。そして、より深刻な措置を模索し始める必要あります。

悪影響を与える社員の記録を残す

最終的にクビにしなかればならない、という結論に至った場合、まずあなたは有毒な社員がとった問題行動と、あなたが彼らの改善のために提案してきた内容を書面で残さなければなりません。あなたが取り組んだプロセスを記録するのです。例えば、

有毒な社員の改善に提供した情報、警告、リソース

改善策がうまくいかなったことの証明

そして、それをサポートする資料。例えば、

社員からの公式な苦情

人事考課によるフィードバック

360度サーベイや同僚によるレビュー結果

あなた自身と企業を守るために、有毒な社員を解雇する理由を、明確に示さなければいけません。

悪影響を与える社員を他の社員から引き離す

有毒な社員をクビにできないとしても、そういった社員をその他大勢から孤立させることはできます。

Minorの研究によると、有毒な社員の近くにいる人は、彼ら自身も有毒な社員になる可能性が高いのです。

ただし、いいニュースとしては、そのリスクをすぐに弱める方法もあります。

それは、他の社員の間に物理的な距離を作るのです。例えば

デスクの位置を変える

全体会議の参加者を限定的にする

関与しているプロジェクトから外す

在宅ワークの頻度を意図的に増やす

Porathはこれを免疫作成と呼んでおり、病気から社員を守ると表現しています。

ただし、慎重に行う必要があり、有毒な社員に関する苦情は、いつでもあなたに報告できるようにしておくことです。

そして、有毒な社員との会話を最小限にする方法を教育するため、社員との一対一の面談が重要です。

悪影響を与える社員に邪魔されないこと

有毒な社員を管理することで、あなたの時間、体力や生産性は消費されます。

そのため、あなたの優先事項が途中で中断することがないよう、多くの時間を費やさないようにしてください。

彼らの否定的な言動に対抗するために、あなたの周りを協力的で、肯定的な人たちで固めてください。そして、職場で働く意味と目的を楽しんでください。

また、自身のケアにも焦点を充ててください。有毒な社員があなたを疲れさせるのなら、運動、正しい食生活、睡眠、休憩、短期休暇により自身を強化してください。

健康で積極的な姿勢は、有毒な社員の行動による影響を和らげることができます。

組織で働いていれば、変わった人間もいます。それが会社に悪影響を与えるようなBad Appldeであれば、できるだけ関わらないようにしましょう。

特に、若い人など吸収力が高い人は要注意です。

最後までお読みいただきありがとうございました。