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【自動化とAI】アメリカ国内の影響

industry picture

様々な技術が発展し、すごく便利な世の中になりました。時間をかけて紙ベースの媒体を見たり専門家に確認せずとも、欲しい情報はインターネットで調べれば、すぐに手に入ります。

手作業で作り価格が高かったモノも、生産設備の自動化により、効率的マス生産を行い、かつ低価格で人々が手にすることを可能にしました。

一方、これら技術発展は人々の職を奪うなど、少なからずネガティブな影響も及ぼしています。今後、どのような変化が起きるか、アメリカで発表された面白いレポートがあります。

機械は人々と場所にどのような影響をもたらすのか?MARK MURO、 ROBERT MAXIMとJACOB WHITONに2019年1月に発行された、Metropolitan Policy Programです。

アメリカ国内の自動化とAIの影響について書かれています。下記は要約になります。職、地域への影響、対応すべきことが書かれています。職を失わないためにも、私たちが備えるべき情報のヒントが書かれています。

自動化導入に向けて必要な準備

✔人が定期的に学習できる環境を整える

✔雇用プログラムを作成し、雇用の最大化を図る

✔脆弱な地域経済や自動化感受性が高いコミュニティをサポートする

自動化とAIに対する不安

まずは、自動化とAIのパワーと見通しは当初から技術専門家に、不安に対する警笛を鳴らしていた。機械の発展は職を破壊するとあります。

将来、自動化とAIは実際にすべての職業における業務に影響を与える。ただし、影響は様々な強度となる。そして、いくつかにおいて過激になる。この場合、その影響は広範囲だが、変動しやすい。

アメリカの雇用の約25%(2016年時点で36百万人)はこれから数十年以内に自動化に対して大きな影響を受ける。

同時に、アメリカの雇用の約36%(2016年時点で52百万人)が2030年までに自動化により中程度の影響を受ける。そして39%は(57百万人)は低い影響をうける。

つまり、更なる技術発展により、アメリカ国内で影響を受けない職業は、”ない”と言うわけです。

自動化に対して影響を受けやすい職業

次の数十年のAIと自動化の影響は特に、職業、場所、地域グループにより変動する。いくつかのパターンが確認されている。

予測できる動作や認知的作業であるルーティン(繰り返し)作業が主である職は来年から、自動化に対して最も脆弱なものとなる。代表的な職業は、事務処理、生産、運送そして食品調整である。

これら職業は、全職業の25%にあたるが、そのうち70%以上が潜在的に自動化に置き換わるハイリスクとして見られている。

より安全性の高い仕事は、高教育要件と伴に、複雑な創造的専門家と技術者の役割や、低賃金の介護職、ルーティン活動を必要としない、あるいは社会的人間関係や感情知性の必要におけるサポート業務である。

近い将来、自動化の可能性は現在、低賃金の支払いを受けている職が最も高い。同様に、学士号を必要とする職業の平均的な自動化の可能性はちょうど24%に達する。55%の業務が学士号未満を必要とする職となる。

これを考えると、現在の業務内容に基づき大部分は、高い教育や高所得者は、弱い自動化脅威に直面し続けることになる。ただし、AIがルーティンを必要としない、高賃金の職にプレッシャーをかけ始めた時に、変化が起こる可能性はある。

ゆえに、自動化に加えて、AIは更なる脅威となるわけですね。

  • 影響を受けやすい職業リスト;(   )内は年収、%は自動化見込み率
    -食品サービス ($23,900)81%
    -生産($37,200)79%
    -事務処理($37,300)60%
    -農業($27,800)56%
    -運送($36,100)55%
    -建築($48,900)50%
    -メインテナンス($46,700)49%
    -営業($40,600)43%
    -法務($10,600)38%
    -コンピューター($87,900)37%
    -介護ケア($26,500)34%
    -医療従事者($79,200)33%
    -サイエンス($72,900)32%
    -マネジメント($118,000)23%
    -ソーシャルサービス($47,200)22%
    -美術、エンターテイメント($58,400)20%
    -エンジニア($84,300)19%
    -教育($54,500)18%
    -ビジネス($75,100)14%

自動化に対する地域への影響

自動化のリスクはアメリカの地域、州、都市により異なるが、ハートランド州(中西部)が最も破壊的になるだろう。自動化は至る所で導入され、その侵入は国中で異なる状況となる。

地域リスクは地域産業、職、能力の組み合わせとともに変動する。そして、業務自動に対して地域の対して影響の受けやすさが決まる。

広地域や州全体は、全産業構成の中では、大都市圏や都市に比べて変動は少ない。気づきは見るがほとんどのケースで、自動化への業務暴露は根本的な変動にはならないだろう。

これらをもとにすると、自動化可能性の州ごとの変化は比較的狭い。雇用者による業務負荷は、ケンタッキー州とインディアナ州で48.7%から48.4%で、ニューヨーク州とマサチューセッツ州で42.9%から42.4%となる。しかしながら、州の自動化は特徴的である。ハートランド州では現業務の47%が平均の雇用自動化の可能性となっているが、残りの州は45%である。この影響はハートランド州が長きに、継続して、農業と製造業に特化してきたことを反映している。

地域レベルでは、データは大きな変化を示す。より小さい、より郊外において、自動化による業務置き換えに、大きくさらされる。より小さい都市圏は大きなものより脆弱となる。人口25万人以下の小さな都市地域での平均的労働者は、例えば、現行の職の48%は潜在的に自動化に置き換えることができる場所で、働いている。その数字は上昇あるいは減少する可能性があるが。インディアナ州コーコモーやノースカロライナ州ヒッコリーのような小さな工業都市では労働の自動化シェアは平均で55%に達する。逆に、バージニア州シャーロッツビル、ニューヨーク州イサカ、ノースダコタ州ビスマルク、ニューメキシコ州サンタフェのような小さな大学の街はうまく保護されている。トップ100大規模都市圏について言えば、現在の職の自動化リスクが広く分散するのは明らかだが、均等には広がらない。

職がなくなれば人口も減っていくと考られ、ますます悪化していきまね。地方の人口減の影響は高齢化だけではないようです。

USA Automation impact imapact

自動化に対する職への影響

主要都市エリアの小集団間では、学歴が、AI技術開発によって地元労働者市場にどのように、影響が与えられるかを形成する決め手となる。大規模都市圏間では、2030年の雇用者の業務リスクはオハイオ州トレドやノースカロライナ州グリーンボロハイポイントのような低教育地域では、50%から49%の範囲となる。カリフォルニア州サンノゼやワシントンD.Cのような高い学歴の都市では40%から39%となる。続いて、一番低い現行業務の自動化リスクは、ボストン、ノースカロライナ州ダーハムチャペルヒル、ニューヨークを含む高い教育や技術に焦点を充てたセンターである。自動化リスクは43%以下である。

これらの都市は、大規模な教育機関、ヘルス企業と供に、長持ちする専門性、ビジネス、財務サービス業が専門化されることで比較的守られている。男性、若い従業員や少数のコミュニティは、より自動化される職の中で働く。この点を踏まえ、労働市場の明確なセグメンテーションは、性別、年齢、宗教倫理独自性は、AI時代自動化は人口層に不均等に影響する。男性労働者は女性より顕著に、潜在的な将来の自動化に対して脆弱に見える。自動化の影響が平均以上と予測される職業である生産、運送、建築設置職業の中で、彼らが過剰となっているからである。対照的に、女性はヘルスケア、介護サービス教育職など、比較的な安全な職業において、労働市場の70%を超えて構成されている。

自動化の影響は年齢層にてより明らかに異なるだろう。その間、若い世代は多くの混乱に直面する。16‐24歳の若い世代は49%の高い平均自動化にさらされる。食品調整やサービスに関連する自動化可能な職業で極端な過剰状態を反映している。同様に、様々な人種や倫理グループが直面するであろう明らかな変化は自動化の進出の中で、予測されることができる。ヒスパニック、アメリカ先住民や黒人労働者は、例えば、彼らの職に対して、平均的な自動化見込みは、それぞれ47%、45%、44%となっている。これらは、白人の40%とアジア人の39%に対して比較的高い数字を表している。これらの差異の根本的な原因は、建築や農業(ヒスパニック)や運送(黒人労働者)のような、高いリスク暴露職業の中で、人種や倫理グループの不足の厳しい現状である。

黒人労働者は、低い自動化への感受性を持つ職業であるヘススケアサポートや保護、介護ケアサービスにて不足しているため、やや低い平均自動化見込みとなっている。

自動化に対して対応すべきこと

ベストな変化を作り、管理するためには、連邦、州、地域、ビジネス、市民のリーダーらに、5つの主要課題に対して注意を引く必要がある。

まず初めに、雇用を増やすか維持、生活基準を高く、生産性を維持するための成長と技術を理解するため、政府はプライベートセクターと供に働く必要がある。

それ以上に、これらすべてのグループは、人々に対して労働市場を改善しするため、投資についてもっと考え、努力する必要がある。最後に、次の行動が必要となる。

1)定期的に学習する考え方を奨励する;再スキル取得への投資、学習と資格の拡大、財務的にアクセス可能なスキル開発、伝統的な教育との連携、独自的な人間の品質の育成。

2)スムーズな調整の促進;追放された労働者のサポートのため、普遍的な調整ベネフィットの創造、補助を受けた雇用プログラムを通して雇用の最大化。

3)苦しんでいる労働者への苦境を減じる;改革と低所得業への収入サポートを広げ、低賃金職の財務不安定を減らす

4)厳しい地域への影響を緩和する;時代遅れにならないような脆弱な地域経済、自動化感受性に対してコミュニティ調整によりサポート

あとがき

かなり具体的に記載されていて衝撃な内容でした。歴史的にアメリカで起こったこ流れは日本でも起きます。ネットにより技術導入が早くなった分、時間差もなくなっています。

政府に頼るか、個人で道を切り開くか、私が決めるなら、後者です。自動化されにくい産業を選び、かつ働ける市場を広げるための、スキルアップを行うでしょう。エンジニア、プログラミング、 ウェブデザインなど職業に加えて英語、ファイナンシャルのスキルを磨き、機会の可能性を拡大します。日々忙しさに追われているかもしれませんが、努力することで身につく能力のため、まずは行動してみる。そうすれば違った光景が見えてくるかもしれません。

引用;Metropolitan Policy Program