アメリカで見かける同性カップルについてお話しします。私の周りにもたくさんいます。男性、女性カップルです。そして子供がいるカップルもいます。
日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカで生活を送るために、理解すべき文化です。コミュニケーションで失敗しないため、多少の知識はもっておきましょう。
同性カップル日常会話での気づき
ある時、気づきました。あれ?今の違和感はなんだろうと。ふとした会話でした。Aさん(女性の名前)の妻が、出産した。2回ほど質問して、理解できました。女性のカップルが結婚し、精子バンクを利用して妊娠、出産したというのが内容です。
日本で育った私は、このあたりの感覚が一切なくキョトンとしてましたが、周りのアメリカ人は普通に会話を継続。同性愛の取り巻く環境について、アメリカずいぶん先をいっていると実感。
そして、オフィス内には男女兼用のトイレがあったりします。中に入ると、異性がいるのです。これは、すごい発想。。。
LGBTとは?
レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの各単語の頭文字を取りLGBTという総称があります。LGBTの人たちは米国内にて法的、社会的な困難に直面しています。アメリカ合衆国最高裁判所はLGBTの多くの権利を法制化していますが、司法により大きく異なっており、仕事や住居における差別は多くの州でいまだ合法となっています。
・レズビアン:女性の同性愛者
・ゲイ:男性の同性愛者
・バイセクシャル:異性、同性と両性愛者
・トランスジェンダー:性同一性が出生時に割当てられた性別と対応しない状態
また、現在はクエアあるいはクエッショニング(自分の性的志向や性別認識に疑問、迷い、悩みを抱える人たち)と呼ばれる人たちを入れて、LGBTQ+と呼ばれています。 いろいろ複雑な状況があるわけですね。
現在、アメリカび議会に提出されている平等法は性的指向(同じまたは異なる性別・ジェンダー間において恋愛(ロマンチック・ラブ)や性愛、または性的魅力を感じるパターン)や性同一性(人間が有している『自身がどの性別に属するか、同一感を持つかという感覚』)における差別を、全米で禁止されることになります。
2003年6月26日以降、アメリカ合衆国最高裁判所の判決に従い、同性の成人や年齢が近い若者の同意の上での性的行為を全米で合法としました。
これはローレンス対テキサス州事件と呼ばれ、同性愛者による性行為およびオーラルセックスを禁じたテキサス州刑法の規定を違憲無効とした、2003年のアメリカ合衆国最高裁判所の判決です。2015年7月26日まで、同性のカップル間での結婚が、全州で認められ、許可されている。この判決が認められた裁判をオーバーグフェル対ホッジス裁判と呼びます。
同性婚が認めらている州
2015年時点で、アメリカ合衆国最高裁判所の判決により同性婚が許可されている州。下表を見ると、州が独自に定めた法律により、同性婚が認められない州もありるようです。
States that Allowed Same-Sex Marriage Prior to 2015 U.S. Supreme Court Ruling | |
Alabama | New Hampshire |
Alaska | New Jersey |
Arizona | New Mexico |
California | New York |
Colorado | North Carolina |
Connecticut | Oklahoma |
Delaware | Oregon |
Florida | Pennsylvania |
Hawaii | Rhode Island |
Idaho | South Carolina |
Illinois | Utah |
Indiana | Vermont |
Iowa | Virginia |
Kansas | Washington |
Maine | West Virginia |
Maryland | Wisconsin |
Massachusetts | Wyoming |
Minnesota | District of Columbia |
Montana | Guam |
Nevada |
同性カップルへの差別
米国では全米で差別を禁止する連邦法がない。従って、州により住人は雇用、住居、私的公的サービスの差別に対して保護されていないままとなります。LGBTの権利である家族や差別禁止に関する法律は州により依然異なります。
そんな中、2015年、EEOC(米国雇用均等委員会)は性同一性に関する雇用差別を性差別と考慮し、許可しないと決定。雇用主は正当な理由なしで、雇用者を解雇できなくったというわけです。
この旗、見たことある人もいるかも知れません。レインボーフラッグと呼ばれ、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの尊厳と LGBTの社会運動を象徴する旗。1970年代から使用されています。長い歴史があるんですね。
同性カップルの統計データ
- 社会保障記録と伴に調査した米国財務省のデータによると、2014年の同性婚は183,280件
- またニューヨークタイムズによると、これは全結婚数の0.33%にあたる
- 2015年は大きく増加し250,450件となった。女性のカップルは男性のカップルに比べて、子供を持つ確率が4倍高い
- 税引き前の平均年収は、男性カップルで$165,960、女性カップルで$118,415、異性カップルは$115,210であった
- ほとんどの女性カップルはオークランド、シアトル、サンフランシスコ、スプリングフィールド(マサチューセッツ州)とポートランド(オレゴン州)で結婚式を挙げた
- 一方、男性カップルはサンフランシスコ、ワシントンDC、ニューヨークシティ、シアトルとフォートローダデールで式を挙げたとの報告
経済的に裕福な人たちが多い気がしますね。
同性愛者の有名人
アップルCEOのティム・クック氏、ミージシャンのエルトン・ジョン、映画にもなったフレディ・マーキュリー(クィーン)、エレン・デジェネレス(コメディアン、女優)などなど、皆さんもご存知の有名人がいるのでは?
多くの著名人が自ら公表し、同じ境遇にいる人たちを勇気づけています。同性愛者に関するイベントも多く、アメリカで生活する上で、この歴史を理解することは非常に重要です。
あとがき
アメリカに来て一番始めに感じたのは、許容範囲が広いということです。世界の人種が集まり、好き放題やるので日本のように統制をとるのは難しいです。
逆に相手が受け入れる立場にならなければ、物事いいように変わっていかない、と強く感じました。同性愛は一つの例で、アメリカの価値観の豊かさを現わしています。
頭が柔らかい間に、アメリカの文化に触れるメリット大きいですね。日本も異なる考えを持つ人を受けいられる、豊かな社会になればいいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。