今後、ますます海外で働く機会が多くなる中、他国での働き方って気になりますよね。
私は日本で10年、アメリカで10年、会社員として働いてきました。
日本企業で10年働いた後にアメリカに移住し、現地企業にも勤務したため、日本の視点から、日米企業の違いがが良く分かりました。
アメリカ企業で働く心構え
✔結果重視の傾向
✔リストラは日常茶飯事
✔プライベートの時間を大切にする
アメリカ企業の勤務時間
日本の現地企業は9:00-17:45。フレックス制を導入している企業も増えていますが、基本この時間帯。
アメリカの現地企業は8:30-17:00。日本より始業時間がやや早いです。そして、実際は早い人で7時に来て、16時くらいに帰宅します。上司の許可を取っているのか微妙な時もあります。
普通に遅刻したりします。理由は車通勤での渋滞が多いです。後は、家族や健康の理由。上司も少しの遅れ程度なら、気にもしません。ただ、日本人の私は最初すごく気になりました。
終業時間になったら、すぐに帰ります。知らぬ間にいなくなってます。忙しいとか関係なく、家族、プライベート優先です。部長クラスが残って仕事をしています。
アメリカ企業の仕事内容
すごく明確です。詳細なJOB DESCRIPTIONをベースに人材の募集をかけます。雇う側もJOB DESCRIPTIONに記載されていることを、こなせる人を雇います。
そのため、上司は何を期待しているのか、自分は何をすべきなのか、分かりやすいです。期待以下だったら入社しても、すぐにクビです。
逆に、JOB DESCRIPTIONに記載されている以外のことを頼むと、抵抗する時があります。普通に言い訳、いやな顔を見せます。上司はロジカルに説明する能力が求められます。
そして、すぐに給料アップを求めてきます。大抵は給料アップはできないので、事前にうまく説明するためのストーリーが必要です。
ボーナスに影響する人事考課の時はもっと大変です。例えば1-5段階(評価低‐高)の評価の時、日本の場合は3をつける人が多いです。4があったとしても、1個か2個です。
アメリカの場合、自分への評価は普通に4ばっかりです。実際の評価は3程度なので、それを下げなければなりません。すごく抵抗してきます。あること、ないこと言ってきます。
そこで、普段から記録を残しておくことが必要です。日ごろの個別面談で指摘するのもいいですが、人事考課時に知らないふりをします。だから、メールでの記録がいいです。これを出して、相手を説得します。
アメリカ企業の従業員の能力
個人差はありますが、平均的な新入社員であれば、日本人の方が能力は高いです。学校での教育を通して基礎能力が高いからだと思います。
物事の考え方はアメリカ人の方がしっかりしています。プレゼンはとてもうまいです。小学校生のことから授業中に、スライドを用いて発表をさせる訓練があるからです。
終業後は無駄な付き合いはせず、自分のために時間を使っている人が多いと思います。そのため、10-20年たつと逆転します。
しかもアメリカの企業は若い人にチャンスを与えるので、伸びしろがある人はどんどん成長します。経験豊富になり、言うことも立派になっていきます。提案もダイナミックです。
転職を繰り返すので、自分の市場価値が上がっていくのが目に見えて分かります。そこで、視点が広がりさらに経験を積むことができます。
無駄なことにはまったく時間をかけません。資料も8割くらいの完成度で提出してきます。優先順位が低いと、本当に切羽詰まるまで動きません。周りに迷惑がかかる時もあります。生産効率がいいと言えばいいですが、たまに困ります。
日本の企業はわりと慎重です。チャンスを与えるのも、上司の責任になるので、あまり回ってきません。年功序列が残っているので、役職が上がるにはある程度の年齢も必要です。
資料の作成にはやたら時間をかけます。上司のリクエストがやたら細かいからです。この資料は一度しか使用されません、下手すると一度も使用されず時間の無駄となります。
高い役職について、外部から人を雇う場合も多いです。その時は同業界から人を引っ張ります。異なる業界から、人を引っ張ることはあまりありません。
イノベーションのため他社で培った経験を、当社に浸透させて欲しいという意図があります。
日本企業は、他業界から人を引っ張るので、入社後、全く役に立たないことがあります。ただのお飾り状態です。アメリカではありえません。
アメリカ企業のリストラ
容赦ありません。会社の都合ですぐにクビにします。私も実際に現場を目の当たりにしました。仲良く話していた同僚が、次の日にいません。
机を見ると空です。周りの人間に聞くと、朝早く上司に呼ばれ、クビを通告されたとのこと。段ボールに私用品を入れて、帰宅します。映画の世界は現実でした。
社長や取締役などが代わると、その直属の部下も代わります。自分の息がかかっている人間、あるいは優秀な人間を招集し、チームを結成します。
会社のためだけではなく、自分を守る上でも重要な作業です。そのため、構想や人脈から漏れると優秀な人でもリストラの対象となります。
クビにする場合、気を付けたいのが、アメリカ人はすぐに訴えてくることです。人種、出生地、年齢、障害、性別、宗教を使い何らかの理由で訴えることができます。
事実かどうかとうよりは、訴える理由があれば、すぐに使ってきます。汚く言うと、会社からお金をむしり取るためです。
アメリカでは、期間の定めのない雇用契約は雇用者・被用者のどちらからでも・いつでも・いかなる理由でも・理由がなくても自由に解約できるという原則があります。at will employementと言われています。
そのため、従業員らも自分の身を守るべく必死です。
アメリカ企業の給料
米労働統計局の数字ではアメリカの年収中央値は約$52,000です。日本は390万円ほどだったと思います。ただ、アメリカは物価が高いので単純な比較にはなりません。
特に、ニューヨーク、ボストン、サンフランシスコは高くて家賃を払うのも大変です。4人家族で最低でも$3,000/月は必要です。
アメリカは白人の年収が黒人、ラティーノに比べて30%ほど、中央値が高いです。意外かも知れませんが、アジア人は白人より20%以上中央値が高いです。
参考:https://www.bls.gov/news.release/pdf/wkyeng.pdf
給料が高い職業は医師で、中央値が$200,0000以上でした。ちなみに麻酔科医がトップの$267,000です。
毎年、COLA(cost-of-living adjustment)と呼ばれる生計費調整が政府より発表され、その数字に合わせて政府関連の職についている人は基本給が上がります。例えば、2%増/年です。
一般企業は義務ではありませんが、それなりの企業では年に一回給料が上がります。日本はなかなか給料が上がらないので、これには驚きました。
給料額は横一列ではなく、必要な人材や社外から人を引っ張る時に、高額な給与を支払います。社内規定とか言っているところはありません。 夢がありますよね。
あとがき
アメリカで働く場合、英語をネイティブレベルで扱える日本人なら需要はかなり高いと思います。真面目で働き者と思われているため、印象もいいです。
新卒の場合はインターで経験を積んでからが、いいでしょう。
アメリカ社会では、差別は依然と残っていますが、企業では社内方針で厳格な規定もあるため、あからさまに差別してくる人はほぼいないでしょう。
アメリカ企業で働いていれば、将来は世界の国々を対象に就職できるような経験を積み、能力を磨くことができるかもしれません。
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