私は、より健康な生活を目指し、2年ほど前にアルコールを止めました。
日本に住んでいたころは週2回ほどのペースで、居酒屋で同僚たちと飲んでました。
最低でもビール2杯、焼酎3杯と量も多かったです。その後、バーに行くこともあり、そこで更にビール2杯飲んでました。
アメリカに住み始めた30代は、外で飲むことは減りました。ただ家で毎日ビール1瓶(500Ml)、週末はワイン3杯ほどたしなんでました。
止めたいと思っている人は多いですが、なかなか実行は難しいでしょね。
今回は、アメリカのアルコール依存症の状況についてお話しします。
私がアルコールを止めた主な理由は下記のとおりです。
◆健康管理
◆無駄な時価をなくす
◆家族との時間を大切にする
その結果、効果は期待通りでした。
◆体調が良い:お腹が下すことが減った
◆飲んだ後に、だらだら過ごす時間がなくなった
◆家族と伴に過ごす時間が増えた
ミレ二アル世代のアルコールの考え方
最近の若者は、アルコールについてどのように考えているか、ビールメーカーのハイネケンがミレ二アル(1980年ごろから2000年代初めに生まれた世代)を対象に実施した調査があります。対象は5ヵ国(アメリカ、イギリス、オランダ、ブラジル、メキシコ)に住む21-35歳の飲酒者、計5,000人です。
要約は下記のとおりです。
“控えめな動向”
- 4人のうち3人 (75%) が、夜の外出時に飲む量を制限している。
- 10人のうち約4人 (38%)が、外出時に飲むアルコールの量を抑えている。
“ソーシャルメディア”
- 2/3以上 (69%)が夜の外出時、アルコール量を制限し、自分のコントロールができるなくなるのを避けている。
- 1/3以上 (36%) が酔っぱらった時の写真をソーシャルメディアに投稿されて、恥をかいたことがあると認めた。
“量より質”
- いい夜となる要因として、ミレニアムの優先順位はアルコールの量から、おいしい料理とよい友人へシフトしている。約半分の (49%)は新た体験を追い求め、同じような古き良き楽しみ方が、いいと言う人は全体の39%となっている。
“将来に焦点”
- この調査では、ほとんど全員(97%)が、過剰な飲みは新たな出会いや恋に貢献するとは、信じていなかった。
- ほとんどの調査対象者(88%)は彼らの人生の結果は、彼らの責任であると認識していた。
- 約3/4(71%)が彼らの行動が控え方がよりより生活を送れると信じている。
- おおよそ10人のうち7人(69%)が、キャリアの成功のため、彼らの親より一生懸命に働かなければならないと感じている。
この調査を見ると、アルコールの飲み方は、明らかに変わったという印象です。昔は、飲みに行けば、酔っぱらうまで飲んでいたのをよく覚えています。
ミレニアム世代は、アルコールで人生は豊かにならない、ということを十分に理解しているのでしょう。
アメリカのアルコール依存症
JAMA Psychiatryの調査によると、2000年に入り最初の10年でアルコール依存症の人が、49%増加したとショッキングな発表があります。
アメリカ成人者の8人に1人、あるいはアメリカ人口の12.7%がアルコール依存症の基準に適合すると言っています。
この調査の著者は、見過ごされる公衆衛生上の危機や深刻度に警笛を鳴らしています。アルコール依存症は2型糖尿病、すい臓炎、肝硬変、心疾患、脳疾患や高血圧など多くの病気の原因となるのです。
それを裏付けるのように、この調査期間中、関連する病気、特にアルコールによる肝硬変と高血圧が上昇しています。
CDC(米疾病対策センター)によると、アルコールが原因で約88,000人/年が亡くなっていると試算しています。内訳は男性62,000人、女性26,000人です。
2014年の報告では、酔っ払い運転のせいで亡くなった人は9,967人でした。
NSDUH(National Survey on Drug Use and Health)によると、18歳以上の86.4%は彼らの生活の中で、アルコールを飲んだことがあると言っています。
また、70.1%は過去12か月の間にアルコールを飲んだ、56%は過去30日の間にアルコールを飲んだとあります。
アメリカの成人の26.9%は過去30日の間に、大量のアルコールを飲むような宴会に参加したとあります。7%は実際に大量のアルコールを飲んだことを認めました。
NSDUHの調査では、 大量のアルコールとは、過去30日の間に、1回のイベントで5杯以上飲み、それを5回以上行うことと定義されています。
18歳以上の成人の6.2%、15.1百万人はアルコール依存症になったという概算があります。内訳は男性の9.8百万人(8.4%)、女性の5.3百万人(4.2%)です。
その内、6.7%のみが過去一年の間に専門の施設でアルコール依存症のための治療やリハビリを受けました。内訳は男性7.4%と女性5.4%となります。
アルコール依存症や大量にアルコールと飲む人の層は、18から24歳の無職の男性でした。
大量のアルコールを飲む人は、大学の学位を持つ非ヒスパニック系の白人で、世帯年収$75,000以上が最も頻繁に見られました。
対照的に、アルコール依存症の人は、高校以下の学位を持つアメリカンインディアンやアラスカ原住民で、世帯年収は$25,000以上が最も頻繁に見られました。
12から17歳の若年層623千人がアルコール依存症になったと概算があります。内訳は女性325千人、男性298千人でした。その内、過去の12か月の間、アルコール問題による治療やリハビリを受けた人は、わずか 5.2 %でした。
18から22歳のアメリカの大学生の内、58.4%は過去30日の間に、アルコールを飲んだとありました。その内、39%は短時間でわりと多めのアルコールを飲み、12.7%はかなりの量のアルコールを飲んだとあります。
これは、学生でない同年代に比べ、かなり高い数字となります。
アメリカでは、アルコール依存症が大きな社会問題となっています。
有名人でもアルコールを飲まない人は大勢います、例えば、女優のナタリー・ポートマン、ジェニファー・ロペス、歌手のエリック・クラプトン、俳優のロバート・ダウニーJrなどです。
アメリカでは、会社の食事会でもアルコールを飲まない人のほうが、多いときがしばしばあります。
会社の人や同僚とのコミュニケーションはどうするか
日本だと”飲みにケーション”という言葉があるように、飲み会は同僚との関係づくりの場に使われます。実際に思っていた以上に距離が縮んだりもします。私も何度も経験しました。
アメリカでよくみる方法はランチです。同僚や上司とランチに行きそこでコミュニケーションを図ります。上司から飲みに誘われることは、ほとんどありません。
年に数回、部署で交流を図る食事会はありますが、1時間ほどたてばみんなちらほら帰り始めます。帰りたい人はいつでも帰ってよし、という考えかたです。
上司も家族やプライベートの時間を大切にしたいからです。
飲み会を利用して作った関係も、ランチで作った関係も同じようなもので、どちらが仕事に有利に働くということはないと思っています。
ぎゃくに、それで会社の方向が決まっていたら問題ですしね。
アルコールをやめた結果
よかったこと | 困ること(特に日本企業の場合) |
体調がいい | 上司から心配される |
規則正しい生活がおくれる | 飲まない=コミュニケーションが苦手と思われる |
家族と過ごせる時間が増える | 飲む人と居酒屋に行くときの出費が高くなる。 |
飲み代の出費が減る | 会食途中でねむくなる。 |
酒をやめましたと、上司に言うと変な心配やネガティブな印象を与えてしまうことがあるので、伝え方は重要かと思います。
飲む人が周りに多いと誘惑に負けてしまうかもしれないので、家に帰らなければならない理由を自ら作るといいですね。例えば、子供と遊ぶ約束、習い事を始めるなどです。
若いころは飲み会はすごく楽しく、友人を作る絶好の場でした。ただ、30代になってからは、限られた時間をどのように使うかを考えるようになりました。
これから、お酒をやめたいと思っている人は、まずは無駄な飲み会に行かないことです。誘惑も多いですが、自分のために使える時間を増やすことで、人生が豊かになる始めの一歩になりますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。