LIFE

アメリカで大腸胃カメラを受けました

endoscopy

アメリカ生活が長くなると、自然と病院にお世話になることも増えてきます。アメリカでは健康に問題が生じた場合、まずは自分のかかりつけ医に連絡し診てもらいます。

最初に診察にかかった医療機関から、かかりつけ医を紹介してもらうことができます。私の場合、風邪をひいたときに、初めて訪問したクリニックの医師に、かかりつけ医になってもらいました。

胃大腸カメラに至った経緯は、数か月ほど胃の不調が続いたからです。2年前に、日本で胃大腸カメラをやり、何も問題がなかったのですが、最近はコロナで日本に帰国できず、健康診断も1年以上受けれていませんでした。

今後、アメリカで胃大腸カメラを受けられる人のために、参考までに流れを説明します。

かかりつけ医に連絡

3月中旬に、左背中脇近くに鈍痛を感じるようになりました。また、左腹部の違和感、軽い痛みも発生。それに加えて、早期膨満感、食後胃もたれもあり、かかりつけ医に連絡。

コロナのため、電話での診察となりました。アメリカではテレヘルスと言います。その後、症状が改善しないため、再度かかりつけ医に連絡し、直接会って面談となりました。

症状の詳細を説明し、血液検査を実施。数日後、血液検査の結果がでましたが、特に異常はなかったとのことでした。

ただ、症状が2週間以上改善しなかったため、4月初旬にかかりつけ医に大腸胃カメラを要望し、消化器専門の医師を紹介してもらいました。

ここがアメリカのシステムで面倒なところです。最初から消化器専門の医師にかかれたら、すぐにでも胃大腸カメラを実施できたのに、かかりつけ医の紹介状がなければ、消化器などの専門の医師にたどりつけないのです。。。

消化器専門の医師とも電話で面談を行い、症状を説明。胃大腸カメラをやってもらうことになりました。アポイントは別途、病院担当者から連絡をさせるとのことです。

そして、病院担当者から電話があり、日にちを言われました。次の胃大腸カメラ予約可能日は最短で7月5日です。。。2か月も先なんて、ありえないと思い、いろいろクレームすると5月5日の13時に空きを見つけてくれました。

日本の医療システムがどれだけ恵まれているのかを再認識。胃大腸カメラのアポイントをとるだけでも一苦労です。

胃大腸カメラに向けての準備

当日の準備に向けて、病院から説明書が送られてきました。大腸カメラの方が食事制限が厳しいのでそちらをベースに説明します。

まずは、近くの薬局に行き説明書に記載されている薬を購入します。下剤であるDulcolax(ドゥルコラックス)、溶液用緩下剤MiraLAX(粉)、ゲーターレード(赤、紫色以外)を64オンス(約1.9リットル)です。

検査7日前より、抗炎症薬の服用を中止します。検査3日前よりコーン、豆、ナッツ、果物の皮などの高繊維食を禁止。消化が悪く腸に残ってしまう可能性があるからだと思います。

検査2日前の夕飯は軽くし、7時以降の食事は禁止です。そして、検査一日前(前日)、薬局で購入した薬の服用開始。食事は一切禁止です。まずは朝、下剤のDulcolaxを2錠服用。

そして、1.9リットル以上の入る容器にゲーターレードと溶液用緩下剤MiraLAXを混ぜて、いったん冷蔵庫に保管します。

冷蔵庫に保管したゲーターレードとMiraLAXを混ぜたものを、4PMより飲み始めます。30分ごとに約240mlを飲みます。飲み終わるまでに約4時間かかりました。これを飲み干すのが検査前の準備で一番大変な作業です。

ご想像の通り、薬服用後はトイレには10回以上行くことになります。こんなにゲーターレードを飲んだのは初めてで、最後は気持ちが悪くなりました。。

検査当日

検査当日の朝は水を少し飲める程度ですが、検査3時間前からは何も飲んではいけません。アメリカの大腸胃カメラは全身麻酔下で行われるため、検査当日、自分で車の運転はできません。ご家族や友人の方の送迎が必要になります。

病院に到着し、受付を済ませます。そして、看護師さんより問診があります。薬をきっちり服用したか、最後の便は何時ころか、何色だったかなど詳細を聞かれます。

検査後に迎えに来てくれる人の名前と電話番号を伝えます。検査後に看護師さんが、その人に迎えにくるよう電話してくれます。

当日は混んでおり予定より1時間ほど待たされました。中に入ると、待合室にベッドが5つほどあり、検査前の患者、検査後の患者で分かれていました。

まずは、検査用の衣服に着替えます。その後、ベッドに寝かされ、看護師さんにより再度問診、そして輸液ラインがセットされます。(針さされます)

また、全身麻酔をするため、麻酔科の先生からも麻酔(アレルギーなど)について問診を受けました。問題発生時の対応について、書面でサインを求められます。訴訟が多いアメリカなので、この辺の準備もさすが。

しばらくすると、消化器の担当医師が来て、更に問診です。中に入って30分後くらいに、大腸胃カメラを実施する部屋に運ばれました。

部屋の中には、看護師3名、消化器の担当医、麻酔科医と計5名が待ち受けおり、大掛かりな状況となっていました。日本で大腸胃カメラを受けたときは、消化器の医師と看護師2名程度でした。

先ほどセットした輸液ラインから麻酔科により全身麻酔を導入され、1分もたたないうちに眠りにつきました。胃から先にカメラ検査を行い、その後大腸を実施したようです。時間は20分ほどでしょうか。次に起きたときには、先ほどいたベッドの待合室でした。

まだ麻酔でクラクラしている中、無理やり起こされ、早く帰るよう促されました。さすがアメリカです。儲けをだすために、病院経営は患者の回転率をかなり重視しています。

消化器の医師からは、特に問題はなかったと言われたのを覚えていますが、麻酔でろれつが回らず、うまく質問できませんでした。。。とりあえず、検査結果の紙をもらい、後でゆっくり読みました。

この日は、無事に大腸胃カメラを終え、家に帰宅です。

検査結果

胃に白い丸い跡があったので、そこをブラッシングして細胞採取。胃と十二指腸、大腸に生検を実施したようです。

2週間ほどで検査結果がきましたが、特に問題なく、軽い慢性炎との診断でした。ただ、ピロリ菌が陽性との結果です。

2年前に日本で血液検査および胃カメラを受けたときは、ピロリ菌陰性、萎縮なしのA分類と診断されたので、少しショックでした。

大腸カメラの結果は、2mmほどの小さなポリープが直腸に3つほどあり、それを除去。良性で問題なしとのことでした。2年前に受けたときは何もなかったので、ポリープはこの2年で発生したものと思われます。

検査費用ですが、保険ですべてカバーできたため、支払いはありませんでした。ただ、保険が効かなかったら、50万円以上はかかるような検査内容であったという印象です。なにせ、風邪ひいいてクリニックにいくと2万円ですから(保険なしの場合)。

とにかく、何も問題がなく一安心です。不思議なことに、この検査の翌日以降、早期膨満感はなくなり、食欲も改善しました。

胃の違和感はしばらく、続きましたが、徐々によくなっています。

コロナにより日本帰国ができず、アメリカで胃大腸カメラを考えられている方もいるかも知れませんが、アポイントまでかなりの時間を要します。いそぎの場合は、早め早めに動いた方がよさそうです。